図書館でごはん

本がある以外は、ただくらしにひつようなものだけのような家で。

わたしの部屋_お題参加

今週のお題「わたしの部屋」。

 

実家にいたころ、じぶんの部屋があった。

ひとりぐらし、じぶんの部屋というか、じぶんの家だった。

ふたりぐらし、じぶんの部屋はなくなった。

 

どんどんオープンになっていった「わたしの部屋」という存在。

とうとう、その仕切りは必要なくなってしまった。

 

では「じぶんのもの」はどこにあるのか。

そもそもじぶんだけのものがほとんどなくなってしまった。

ほぼすべてを夫と共有するため、じぶんだけで囲い込んで

保管しなければならないことが無くなってしまった。

共有できないのは服や靴くらいか・・・。

それも共用のクローゼット、靴箱ですみわけしている程度で、

「ふたりのどちらかしか開けない場所」は、無い。

 

じぶんで触れられないスペースがあると、

じぶんのスペースに固執してしまうのかもしれない。

実家にいたころは、ほかの家族の部屋もあったし、

おフロやお手洗いの「共用」スペースも、

じぶんの思い通りに整えられないぶん、雑に利用していた気がする。

 

ひとりぐらしになって、全てがじぶんの責任になると、

きれいにしたり、整えたり、好きなものを集めてみたり、

家の中の垣根が無くなっていった。

 

そのままの気持ちでふたりぐらしになって、

どーんと広くなっても同じきもちで過ごすことが出来るようになった。

もともとじぶんの部屋を持っていた夫も、

じぶんの部屋をほしいと言うことはなかった。

むしろ常におなじ部屋で過ごしている。

 

仕事があれば、静かに過ごす。

本を読み始めたら、音楽を切る。

ごはんをつくりはじめれば、食卓を準備する。

 

ふたりの家を考える時、ここはじぶんの部屋にしよう、と

どちらも言い出さなかった。

 

ちょっと考え方が似ている、とても素敵な家。

建築家・手塚夫妻の「仕切り」をつくらない暮らしかた。 - 北欧、暮らしの道具店