3秒でおひなさまをかざる。
ひとりぐらしとともに母に贈られたお雛様。
ぱかっ、とひらくだけ。
季節や旬のことをちゃんとしなさい、と言うわりには、
とりあえずこれでOK、というのが気楽な母らしい。
ちゃんとふたりぐらしになるときも、嫁入り道具として持ち込んだ。
簡単すぎて、ちゃんと毎年飾ることが出来る。
そして「今年もお雛様を飾ったよ」と報告する。
母は、じぶんで贈っておきながら、「あれかー」と笑う。
このお雛様、こんなに何年も見られるとは思っていなかっただろうな。